昨年に続き、様々なモノやサービスの値上がりが続いています。この記事を書いている時点(22年5月中旬)でも我々消費者に非常に影響のある食品メーカーや外食チェーンで値上げがなされています。
会社員の賃金が上がらない現状で、この値上げラッシュはとてもインパクトがあるので、生活防衛のために「いつ」「何が」「どのくらい」値上げされるのか把握をし対策をすることで、少しでもこの値上げラッシュの影響を緩和できるようまとめてみました。
うまい棒、値上げの衝撃
筆者が食品などの値上げを気にし始めたのは、世間を賑わせた「うまい棒」の値上げのニュースです。22年1月、原材料費などの高騰で価格維持が困難になり、1本税抜10円が12円になりました。1979年の発売以来初めてだそうです。昔、消費税もないこともの頃、遠足のおやつを300円ぴったりで買うことに命をかけて(?)いました。その際に後残り10円とか20円になった時にお世話になったのが「うまい棒」。それが今や12円とは、衝撃です。
今年の値上げラッシュ、なぜ?
それではなぜここまで値上げが続いているのでしょうか。この値上げラッシュは近年稀に見るほどです。
値上げラッシュの原因
今でこそ、ロシアがウクライナに侵攻して小麦とか原油が…と思いますが、値上げラッシュは既にロシアのウクライナ侵攻の前から始まっていました。
昨年から続く原材料価格や物流費の高騰
今年の値上げラッシュの原因の一つは、昨年からの原材料費や物流費、包装材コストの上昇です。
例えば小麦粉や食用油は原油高に起因する輸送費の高騰、また食用油や大豆、コーヒー豆などはこれに加えて主産地の天候不良によって産出量が減っていること、また中国での引き合いが強いため小売価格への転嫁が進んでいます。
ロシアのウクライナ侵攻
そして今年に入ってからは、やはりロシアのウクライナ侵攻によるものが上記に加わり更に値上げ圧力が高まっています。
ロシアは世界有数の産油国です。ロシアからの輸出が止まる可能性もあり、この軍事侵攻により原油価格が上昇しています。これによりガソリン代から電気代やガス代にまで値上げが波及しますし、ガソリンを使うトラックなどの運送手段があがり、結果的にモノの値段が上がります。
また、食品トレーや包装に使われるプラスチックも原油由来なので、ここでも原油高の影響は避けられません。
食品値上げ、対策は「無駄」を防ぐ
それではこの値上げラッシュに我々はどのように対応していくべきなのでしょうか。
まずは出回っている情報に惑わされないこと。小麦が値上がりするんだって!買いだめしないと!とかガソリン上がるから入れておかないと!というスタンスでは、オイルショックや東日本大震災の時のガソリンスタンドのように無意味な買いだめや行列ができてしまいます。
我々消費者に必要なのは、どんな食品やサービスが、いつ、どの程度値上げされるかを把握すること。そしてフードロスを徹底的に防ぎ、その上で値上げ時期と消費期限とをにらめっこして、無駄にならない必要な量を買いだめすること。そうすれば賃上げで吸収できない値上げ分はどうにかやり過ごすことができそうです。
2022年、これから値上げする食品・飲料・サービスは?
それでは、今年これから値上げするモノはなんでしょうか。以下にまとめます。
5月
食品メーカー
- コカ・コーラボトラーズ ジャパンHD →大容量ペットボトルの清涼飲料で出荷価格を5/1出荷分から5〜8%値上げ
- キッコーマン →トマト調味料や飲料などの希望小売価格を5/1納品分から3〜10%値上げ
- 明治 →チョコレートやレトルトカレーなどを5/1出荷分から値上げ。菓子では出荷価格を3〜11%値上げ
- 森永製菓 →菓子類で5/31から3〜11%値上げ
外食チェーン
- 松屋フーズ →「牛めし」の特盛や小盛の価格を5/2から値上げ
- 王将フードサービス →「餃子の王将」ギョーザやチャーハンなど14品目について5/14から税込22〜33円値上げ
- ゼンショーホールディングス →「はま寿司」で5/26から1皿308円の商品群を319円に値上げ
- ローソン →5/31より「からあげクン」を約10%値上げ
6月 アイスもポテチも値上げ
即席麺・袋麺
- 日清食品(6/1〜) →主力商品のカップ麺や袋麺などを希望小売価格で5〜12%値上げ
- 東洋水産(6/1〜) →「マルちゃん」ブランドの即席麺約220品目で希望小売価格の9〜12%値上げ
- サンヨー食品(6/1〜) →「サッポロ一番」などの即席麺商品を10〜12%値上げ
- 明星食品(6/1〜) →即席麺で6〜12%値上げ
- エースコック(6/1〜) →即席麺で5〜11%値上げ
調味料
- 味の素(6/1〜) →「味の素」などのうま味調味料や即席スープ、「パルスイート」などの甘味料を25品種を2〜13%値上げ
- エスビー食品(6/1〜) →家庭用香辛料を平均9.8%値上げ
- ミツカン(6/1〜) →食酢関連商品、家庭用約3〜10%、業務用約4〜13%値上げ
- ブルドックソース(6/1〜) →ソース、家庭用3〜8%、業務用約4〜7%値上げ
- オタフクソース(6/1〜) →ソースを5〜9%値上げ
- 永谷園(6/1〜) →お茶漬けやふりかけを約5〜9%値上げ
アイスクリーム
- 森永製菓(6/1〜) →アイスクリーム商品11品目で6.1〜10%値上げ
- 森永乳業(6/1〜) →「ピノ」などアイスクリーム商品で5.5〜11.1%値上げ
- 明治(6/1〜) →市販用のアイスクリームを4.8〜8.6%値上げ
- ロッテ(6/1〜) →アイスクリームやチョコレートなど166品目を5.1〜19.4%値上げ
- オハヨー乳業(6/1〜) →アイスクリームで4.2〜11.1%値上げ
菓子
- カルビー(6/1〜) →ポテトチップスなど9品目を店頭想定価格で10〜20%程度値上げ
外食
- 壱番屋(6/1〜) →「カレーハウスCoCo壱番屋」カレーで33円、トッピングで11〜22円値上げ
- ゆで太郎システム(6/1〜) →「ゆで太郎」で、もりそば・かけそばを20円(5.6%)引き上げ
- ダイタンフード(6/1〜) →「名代富士そば」でかけそば1杯360円へ(5.9%の引き上げ)
- ロイヤルホールディングス (6/16〜) →「てんや」14品目で1〜8%値上げ
7月 小麦粉、パン、食用油も値上げ
酒類
- メルシャン(7/1〜) →焼酎やワイン 1,000円以上のワインで8〜10%の値上げ
- サッポロビール(7/1〜) →焼酎が1.4%〜1.9%、輸入ワインは1.6〜49.8%の値上げ
飲料
- 伊藤園(7/1〜) →野菜飲料やティーバッグ製品などを4〜15%値上げ
小麦粉
- 日清製粉ウェルナ(7/1〜) → 家庭用小麦粉やミックス粉など約4〜6%値上げ
- ニップン(7/1〜) → 家庭用小麦粉などの希望小売価格を平均3%〜13%値上げ
- 森永製菓(7/1〜) →「ホットケーキミックス」「ココアパウダー」など12品目を約5.4〜7.9%値上げ
- 昭和産業(7/1〜) →家庭用・業務用の食用油全商品と小麦粉やプレミックス粉を2〜7%値上げ
香辛料
- ハウス食品(7/1〜) → 香辛料を平均10.9%値上げ
食用油
- 日清オイリオグループ(7/1〜) → オリーブ油やごま油を5〜30%値上げ
- J-オイルミルズ (7/1〜) →食用油全商品を過去最大幅で値上げ
パン
- 山崎製パン(7/1〜) → 食パンや菓子パンを平均7.1%値上げ
- 敷島製パン(7/1〜) → 食パンや菓子パンなど345品目を最大約9%値上げ
- フジパン(7/1〜) → 食パンや菓子パンなど最大約9%値上げ
菓子
- ブルボン(7/1〜) →「ルマンド」など焼き菓子商品26商品で約5〜14%値上げ
- ネスレ日本(7/1〜) →「キットカット」など一部商品を10%程度値上げ
- カルビー(7/1〜) →「ポテトチップスクリスプ」で10〜20%値上げ
- ロッテ(7/1〜) →チョコレートを3〜9%値上げ
外食
- ロイヤルホールディングス(7/13〜) →傘下の「ロイヤルホスト」一部商品を2〜8%値上げ
- 日本ケンタッキー・フライド・チキン(7/6〜) →「オリジナルチキン」店頭価格が4%値上げ。店頭価格250円→260円へ。
- モスフードサービス(7/13〜) →「モスバーガー」で全アイテムの9割、210アイテムで平均5%の値上げ。「モスバーガー」は390円→410円と20円の値上げ。メイン商品32品目を20〜40円値上げ。サイドメニューやドリンク類も10〜20円値上げ。
- セブンイレブン(7/4〜) →「セブンカフェ」約10〜20%値上げ・・・2013年の発売以来初めての値上げ。原材料の高騰、原油高に伴う容器・包材のコストや輸送コストの上昇が要因。
玩具
- タカラトミー(7/1〜) →「トミカ」「プラレール」などの283種類の販売価格を6〜19%引き上げる・・・トミカは2014年以来8年ぶり。円安や原材料価格の高騰による。
8月
飲料
- ポッカサッポロフード&ビバレッジ(8/1〜) →「ポッカレモン100」など36品目で希望小売価格で5〜10%値上げ
カレールウ
- ハウス食品グループ(8/15〜) →家庭用181品目を5〜10%、業務用298品目を値上げ
冷凍食品
- ニチレイフーズ(8/1〜) →一部の家庭用冷凍食品の出荷価格を約8〜20%値上げ
- 日本水産 (8/1〜) →家庭向けすり身製品と家庭用・業務用冷凍食品を5〜28%値上げ
- 味の素冷凍食品(8/1〜) →家庭用冷凍食品を6〜14%値上げ
菓子・アイス
- 江崎グリコ(8/23〜) →主力商品の「ポッキー」157品目で3〜24%値上げ、42品目で内容量を3〜11%減らす。また「カプリコ」や「プリッツ」、アイスの「ジャイアントコーン」、「パピコ」「アイスの実」など代表的な商品を値上げ。
パスタ・乾麺
- ニップン(8/1〜) →パスタや乾麺、パスタソースで3〜8%値上げ
- 日清製粉ウェルナ(8/1〜) →パスタや乾麺、パスタソースで2〜8%値上げ
- 昭和産業(8/1〜) →パスタや乾麺で3〜7%値上げ
練り物
- 紀文食品(8/29〜) →「焼きちくわ」や「はんぺん大判」などの家庭用の練り物製品や惣菜など計946品目を値上げ。小売希望価格で5〜20%程度引き上げる。
まだまだある値上げ予定
9月以降の値上げラッシュはこちらの記事をご参照ください↓
まとめ
かつてないほどのインパクトの値上げラッシュ、会社員の賃金が上がらない今、これに耐え抜くには頭を使って知恵を絞って、立ち向かうしかありません。このリストが生活防衛の一助になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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